私は、過去に都会にいて、今は田舎住まいのため、通販依存率が結構高い。大手の通販デパートが示す商品の価格は良くも悪くもこなれたものだし、田舎では入手できないものもあるので、離れられない。
以前はAliExpressにも依存していたが、店子の不良品を巡ってトラブルがあり、AliExpress自体の運営にも問題があった(要はCustomer Satisfactionの保証が嘘だった)ので、そこはそれっきりだが、最近は国内の店舗でも中国発送の商品は多い。中にはものを発送すら行わず、発送したとメールで偽り、そのまま支払いだけは行われることもある。こちらが請求すると返金されるのだが、通販サイトには相変わらずその商品は売っており、「結果的に詐欺」と確定されるケースがある。確か日本では在庫のないものを売ったら詐欺になる、と聞いたことがある。在庫が中国にある、なんて話はほぼ信用できないのだが、そんな商品を掲げ続ける通販会社も詐欺に加担していることになるのではないだろうか。
ま、法律のディープな話は専門外なので、今回は単純に詐欺の手口の実例を紹介をして、皆さん気を付けましょう、って例を挙げる。
先日来たのが以下の詐欺メールである。本文は、ボタンを押して関税を払う手続きをしないと品物を届けられないよ、ってな内容である。じつはこれ、某国内通販大手で、期日までに物が届かず、もう要らない、と返品手続きをした前後に届いた。(下に続く)
返品したものが届かないなら、返送の手間もない。そんな消極的な立ち位置だったから詐欺だと気付いた。
これはメールをPDFとして保存し、その表示のダンプを取ったものだけど、メーラーではFrom:
欄のFedex Info
しか見ることはできない。でもここなら明らかに異なるドメインから発行されているのがわかる。最近のメーラーではヘッダー情報を見るのが面倒になっていて、スマホなんかじゃ更に見分けにくい。よく知った運輸業者のロゴがあれば、安心してしまう。ボタン側にもFedexとは全く関係のないリンクが貼ってあった。
以前Fedexではなく、日本ではあまりなじみはないが大手の国際運輸会社、Molexのロゴで似たような詐欺メールをもらったこともある。確か某社のサイト(「日本直営店」と称していたが、所在は中国)からパソコンを注文した時だった。詐欺メールはちょうど通関しているタイミングで、数ドルの関税を以下のサイトから支払う手続きをしてね、ってな内容だった。調べてみたら、全く関係のない国の教育機関のドメインを踏み台に発信されていた。払い込み先のリンクは中東の国だったけど、それが本拠地なのかまではわからない。
このようなメールが、通販会社との何かの手続きに前後してくるとついつい信用して、ああ関税ね、さもありなん、なんて個人輸入知ったかぶりで踏み絵を踏んだ瞬間、数ドルどころか上限まで抜かれることになるだろう。いや、こつこつと少額を長く搾り取るのかな。平和ボケの日本人に合ってるのは後者かも。
おおかた、通販会社か、運輸会社に詐欺グループがいて、いや、いたことがあって?詐欺の「タイミング」というものを狙って自動発信するしかけができていると思われる。この、被害者の操作と連動した詐欺メールは引っかかりやすい。
新手の詐欺メールをどのように見分けるのか。私自身にもわからない。今までは何かしら常識とは異なった「匂い」をかぎ取ることで何とか事なきを得ている、としか言いようがない。
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